ゲストハウスオープンするに当たり、避けて通れない許可の1つである消防法。
細かいところは自治体や担当者の裁量によって違うわけですが
中でも、自動火災放置設備・誘導灯・消火器の設置義務があります。
自動火災放置設備・誘導灯・消火器を設置するには、有資格者でなければなりません。
つまり、国家資格である消防設備士の甲種3類及び4類(建物によっては5類が必要な場合もある)の資格が必要になってきます。
消防設備甲種・消防設備乙種の違い
甲種は「工事・整備・点検」、乙種は「整備・点検」の業務が行える資格ですので
自分で消防設備設置を行うのであれば、工事ができる甲種を取得する必要があるわけです。
取り扱う業務により「類」別になっている
消防設備士の甲種
・甲種特類 – 特殊消防用設備等
・甲種第1類 – 屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備
・甲種第2類 – 泡消火設備
・甲種第3類 – 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備
・甲種第4類 – 自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備
・甲種第5類 – 金属製避難はしご、救助袋、緩降機
消防設備士の乙種
・乙種第1類 – 甲種第1類と同じ
・乙種第2類 – 甲種第2類と同じ
・乙種第3類 – 甲種第3類と同じ
・乙種第4類 – 甲種第4類と同じ
・乙種第5類 – 甲種第5類と同じ
・乙種第6類 – 消火器
・乙種第7類 – 漏電火災警報器
上記の事から、消防法をクリアする工事を自ら施工するのであれば、甲種第3類・甲種第4類を取得し、自動火災報知設備と消火器することができます。
また、物件によっては金属製避難はしごや緩降機が必要な場合
金属製避難はしご・緩降機の設置が可能な甲種第5類が必要になってきます。
消防設備士の受験難易度について
消防設備士免許は筆記試験と実技試験があり
筆記試験の最低合格ラインは、40点が合格ラインとなり『消防法』『電気・機械』『規格・構造』の筆記試験3科目は、40点、40点、100点の180点でも、50点、50点、80点の180点が合格ラインになります。
実技試験の鑑定・製図の試験は、60点以上が合格となります。
消防設備士の合格率は、甲種では30%前後、乙種では40%前後で
国家資格としては難易度が、比較的低めの資格だと言われており、取得は容易な方ではあります。
筆記試験は、暗記で何とかなる内容でありますが
実技の製図に関しては、製図の知識が無い方には苦戦する部分ではないかと思われます。
筆者は、危険物乙種4類を所有しておりますが
危険物乙4より、若干幅が広い程度らしいので
危険物取扱者を持っている方は、勉強しやすい分野ではないでしょうか。
設備点検もできる資格なので、長期的なスパンで見てもゲストハウス運営に役立つ資格でしょう。小資金でゲストハウスを開業する方は、比較的合格しやすい消防設備士の資格取得を目指してみては如何でしょうか。
補足ですが、大山バックパッカーズさんのブログによると 下記の要件を満たすと、消防設備士の資格が無くとも自分で工事可能だそうです。 ①300平米未満で・・・ ②法令表第1(5)項イに掲げる防火対象物(つまり宿泊施設を指す)で・・・ ③特定1階段対象物ではない(3階建て以上で不特定多数の人が利用する建物ではないこと) ④自動火災放置施設が受信機なし・すべての感知器が無線式で、連動型である 殆どの小規模ゲストハウスで、クリア出来るところではないでしょうか。